映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「ポルトガル、夏の終わり」

映画「ポルトガル、夏の終わり」

 

映画"Frankie"

2019

アイラ・サックス 監督

 

 イングランド出身の詩人、バイロンが「エデンの園」と称し、

その美しさを称えた町、シントラ。

ポルトガルの首都、リスボンから、列車で1時間とかからない距離に位置する

この町は、1995年に世界遺産に登録されました。

古くから夏の避暑地として愛されてきた、風光明媚な街には、

宮殿や城壁が残されており、それらを含めた町全体の

文化的価値を認めての登録でした。

 九州のキリシタン大名らの名代として、ローマへ派遣された日本人の使節団が、

かつてこの地を訪れた記録が残っています。

ポルトガルは今も昔も、ローマ・カトリックが優勢の国です。

 

 美しい避暑地で、人生最後になるだろう夏を過ごす女優が、

本作の主人公です。

彼女の名は、フランキー。

欧州を代表する大女優で、全身に転移したガンのために、余命は長くありません。

 彼女は家族と友人をシントラに招き、最後のバケーションを楽しみます。

観光地に集められた彼らは、それぞれ思い思いに時を過ごしますが、

フランキーの希望通り、夕刻に山頂で一堂に会します。

ペニーニャの山からは、夕日が海に沈む景色が臨めます。

 物語のラストで登場人物が勢揃いするのは、群像劇の醍醐味です。

しかしこの映画のラストシーンの美しさは、えも言われぬ程です。

非常に絵画的なワンショットで、構成と配色・配置の美を感じました。

久しぶりに映画で「美しいものを観た」という感想を抱きました。

 

 知らない街の風景を、スクリーンを通して知ることができるのが、

映画の楽しみの一つでもあります。

コザクラにとって、ポルトガルは縁遠い国。

この映画を通して、「こんなに素敵で絵になる風景の町が

ポルトガルにあるんだな」と知ることができ、

シントラとポルトガルへの興味がわきました。

 遠くへ行きたい、旅行したい……でもできない……そんな時は、

映画を観て心を慰めるのも、アリです。