映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」

No! I call it "Z".

映画「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」

 

”フォーセットは、ブラジルのアマゾンには高度な文明をもつ古代民族が

 生存しており、その文明はきわめて古いうえに洗練され、

 南北アメリカ対するヨーロッパ人の見方を一変させるだろうと確信していた。

 彼はその失われた世界を都市Zと名づけている。”

書籍「ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え」

デイヴィッド・グラン 著

近藤隆文 訳

 

映画"The Lost City of Z"

2017

ジェームズ・グレイ 監督

 

 1925年、イギリスからやって来た探検隊が、ブラジルのジャングルに消えた。

隊の構成は小さく、男、その息子、息子の親友、の3人だけだった。

隊を率いた男がブラジルに足を踏み入れるのは、これがはじめてではなく、

これまでの遠征で存在を確信していた古代都市を発見・調査するために、

満を持して臨んだ遠征だった。

 しかし、これが彼の、そして彼らの最後の遠征となる。

彼らからの連絡は途絶え、その身に何が起こったのかを知る術はない。

彼らの消息を確かめようとジャングルへ赴いた捜索隊の多くが、

過酷な環境で厳しい試練を突きつけられ、

ついに彼らを発見することなく、帰国の途につくことになった――

 

 ――100年の歳月が流れ、探検家の名は「変わり者」の代名詞となり、

彼が提唱した古代都市の存在は、闇へと葬られました。

 

「変人が夢見ていたのさ。

 ジャングルで文明が花開く筈がない。

 高度な文明の発生には、条件がある。

 食糧の安定的確保。人口の増加。支配層の権力増大。学問のための余暇。

 密林の過酷な自然環境は、人間を極めて原始的なレベルに押し留める。

 ここでは、生きていくことがやっとだ。

 文化で飯が食えるか?

 音楽や建築や工芸に精を出している暇なんてない。

 生きていくだけで、現地の人々は精一杯だ。

 南米のジャングルの奥地に、黄金に輝く巨大都市など、夢物語さ」

 

 しかし、引用書籍の最終章で著者は、

上記の「定説」を否定する物的証拠を目撃したと記しています。

物的証拠――古代の集落の跡地。

 防御用の地面の窪み。割れた土器の山。道路。橋。広場――

それらは無機物(岩石)ではなく、有機物(植物や土)でつくられ、

それゆえに年月を経て、微生物に分解され、姿を消し去っていたのです。

 書籍の中で、十数年に渡って、

ジャングルの中の集落跡地を調査をしている研究者は、

こうも語っています。

 

「彼らの記念建造物はピラミッドではなく、だから、

 なかなか見つからなかったんだ。

 彼らの建造物には水平型という特徴がある。

 でも、だからといって、その非凡さが損なわれるわけではない」

 

 もしかしたら100年後の未来では、

ジャングルの中の古代都市や文明の存在が、

世に広く知られているかもしれません。

200年後には、遺跡が修復・復元されて、世界遺産に登録。

観光地化している、なんて未来もあり得るのです。

 その時、名称はどうなるのでしょうか。

現地の人々の口頭伝承からも失われ、地続きの歴史ではなく、

突如出現したかのような古代都市の再発見。

かつて、探検家:フォーセットが存在を確信し、

証拠を得ようとジャングルに足を踏み入れたまま、

ついに帰ってこず、正史からは姿を消した、古代都市の姿。

 その時、どのような名称をつけられるにせよ、

人々がその名前の裏に、フォーセットが名づけた「古代都市Z(ゼット)」の

名前を思い浮かべるのは、必然ではないでしょうか。

 

 21世紀の現在も謎多き、南米の密林に思いを馳せて、

20世紀の探検家の物語を、ぜひ、映画でも書籍でも、お楽しみくださいませ。

 

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