映画「僕のピアノコンチェルト」
映画"Vitus"
2006年
フレディ・ムーラー 監督
邦題の「ピアノコンチェルト」とは、「ピアノ協奏曲」のこと。
ソロで演奏できる楽器(この場合はピアノ)とオーケストラ(楽団)が、
一緒に演奏する音楽のことを指しています。
映画のラストで、主人公:ヴィトスがオーケストラと一緒に演奏していますが、
あれもピアノコンチェルトの一つです。
グランドピアノを演奏するヴィトスの手はまだ小さく、幼さが残ります。
それもその筈。
ヴィトスはまだ十代前半。
「子ども」と呼ぶのが自然な年齢です。
それなのに彼は、ピアニストとしてコンサートの舞台に立っているわけです。
彼は――そう、天才児だったのです。
非凡な才能を持って生まれた少年の、人生の寄り道と挑戦を描いた、
スイスの映画。
それが、今回取り上げた映画「僕のピアノコンチェルト」です。
IQ180を超える天才児のヴィトスは、齢12歳にしてすでに高校に進学しています。
しかし、飛び級で進学した先の高校で、彼は周囲に馴染めていません。
彼自身、環境に馴染もうとしているようには見えず、
学校側からは「問題児」として煙たがれています。
そして家では、母親:ヘレンが管理した通りにピアノを弾く日々。
幼少期からピアニストになるべく教育されてきたヴィトスは、
小さな背丈に見合わない、堂々とした演奏をします。
両親の期待通り、天才少年としてコンサートデビューするのも
時間の問題でしたが、本人は浮かない顔で、
自分の将来に希望を抱けないでいました。
そこでヴィトスは、信頼している祖父に悩みを打ち明けます。
「普通の人になりたい」と。
そして彼は、普通になるために、あることをするのですが……――。
さて、映画でヴィトスを演じたテオ・ゲオルギューは、
スイスはチューリッヒの生まれです。
1992年に生まれた彼は、9歳からピアノをはじめ、
数々のコンクールで入賞。
ヴィトスと同じく、十代前半(おそらく12~13歳)で
ピアノコンチェルトを弾き、コンサートデビューを果たしました。
いるんですねェ!!
天才ってヤツは!!
人生に行き詰まって、進むべき道がわからない……
そんな時に観たい映画です。
ピアノがお好きな方も、別にそうじゃないよ、って方も、
ぜひ一度、お試しくださいませ。