映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

ディズニー・アニメ映画「アトランティス 失われた帝国」

Plato, 360 B.C.

ディズニー・アニメ映画「アトランティス 失われた帝国

 

”・・・不運なる一昼夜の間に、

 アトランティスは海中深く没し姿を消した

哲学者プラトン B.C.360

※ 映画冒頭の引用より

 

映画"Atlantis: The Lost Empire"

2001

ゲイリー・トルースデール/カーク・ワイズ 監督

 

 問題作……というか、「問題を呼び込みやすい作品」ですね、これは。

今回取り上げた映画は、スタジオジブリの「天空の城ラピュタ」や、

テレビアニメ「ふしぎの海のナディア」など他の映像作品との

類似点が取り沙汰される傾向にあるディズニー作品です。

 それが理由かはわかりませんが、

ウォルト・ディズニー生誕100周年記念作品として大々的に予告された割には、

その後、デイズニーの表舞台に立たされていない作品です。

まぁ、ディズニーはマイナーな(売れなかった)作品に出番を与える

経営方針ではないだけかもしれませんが。

 念のために申し上げますと、

他作品との類似点の多さからパクリ・盗作が疑われるのは、

この作品が最初でもなければ最後でもありません。

デイズニー映画の「ライオン・キング」と手塚治虫の「ジャングル大帝」が

似ていることは、日本のみならずアメリカからも声があがっておりますが、

現在までに裁判になった、とか、会社どうしで揉めた、という話は聞こえてきません。

本作に関しても、ビジネスの場で話し合いがあったわけではないようです。

 一視聴者としては、制作陣がそういう波風立てない態度でいるなら、

他作品との関連性はひとまず無視して、作品として楽しみたい、と思っています。

 それに……こう言っては何ですが、

似てるなら似てるなりに、楽しめるものです。

同じようなテーマや設計であればこそ、制作陣が一番見せたいシーンや

キャラクターの成長ポイントなどがはっきり違って見えてくるので、

上述の似ている他作品との相違点を洗い出し、比較することができます。

そういう意味では、もしかしたら、

大人の目線でこそ、楽しめる作品かもしれません。

映像作品の楽しみ方は、ストーリーを追いかけるとか、

キャラクターを推す以外にも、色々な方法があると思っています。

たまには、こういう考えながら作品を観るのも、いいじゃありませんか?

 

 この作品はジュール・ヴェルヌの小説「海底二万里」と、

ギリシアの哲学者プラトンの著作を題材にした作品です。

 主人公:マイロ・サッチは、探検家の祖父を持つ言語学者兼地図制作者。

両親を亡くし、考古学で飯を食べていけない彼は、

博物館のボイラー室で一生を終えることにならないよう、

博物館の援助を得てアトランティス発見の旅に出ようとしますが、

理事会のメンバーは「おとぎ話には付き合えない」と一蹴します。

落ち込むマイロが、肩を落として家に帰ると、謎の女が待ち構えていました。

彼女に導かれて旅の援助者に出会い、意気揚々と潜水艦に乗り込むマイロ。

しかし伝説を辿る道のりは厳しく、出発して早々に探検隊の大多数は

海の底に沈み、残されたメンバーはそれでも前に進むことを決意します。

 

 2000年代に入ると、ディズニー作品からミュージカル要素(登場人物が、

歌で心情や状態を表現する)が無くなっていきます。

本作も、歌や踊りは一切無し。

 主人公の性格が割と鈍感なので気付きにくいのですが、

シリアスな局面が長く続き、作品全体からは、暗い印象が拭えません。

モブ・メインを含めて、人が死ぬシーンも描かれています。

ディズニー作品の中では、年齢層をやや上に設定してある作品かと思われます。

 ジュール・ヴェルヌの作品を取り入れていることや、

空を飛ぶ古代飛行機の存在など、ディズニーシーとの親和性が高い作品です。

いつか、テーマパークに取り入れられる日を願っています。

 

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