映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「オペラ座の怪人」

Masquerade. Paper faces on parade. Masquerade. Hide your face, so the world will never find you.

映画「オペラ座の怪人

 

”千々に乱れ、悲しみに沈む心を隠す必要はない。

 感情が顔にあらわれないよう気をつけなくてもいい。

 ちゃんと仮面をつけているのだから!”

書籍「オペラ座の怪人

ガストン・ルルー 著

長島良三 訳

 

映画"The Phantom of the Opera"

2004年

ジョエル・シュマッカー 監督


 劇団四季の作品が好きです。

「キャッツ」「ライオンキング」「人間になりたがった猫」

「壁抜け男」などいくつかの公演を鑑賞済みです。

  しかし、熱心なファンの方からすれば憤慨ものかもしれませんが、

私はあまり役者さんにこだわらず、

したがって公演の日に出演情報を調べるということがありません。

  特別ひいきにしている方がいれば話は別でしょうが、

今のところそういうご縁もなく、

遠方から東京へ足を運ぶことを考えれば、

優先されるのは公演日時のみ、となってしまうのです。

 

 「オペラ座の怪人」については、

劇団四季のミュージカルではなく映画からはまった1人です。

映画鑑賞前の前知識は、2つ。

ひとつ、怪人の愛は成就しない。

ふたつ、しかし怪人にとってはハッピーエンドで終わる。

……あれー?

 どういう経緯で得た知識なのか思い出せないのですが、

この2つがあったために見終わった直後の感想としては、

「だまされた!」というもの。

ハッピーエンドにも色々あるけど、これは本当にハッピーエンドか?

違うだろぉ!!

思っていた以上に可哀想な最後で、帰り道を沈んだ気持ちで歩く羽目になりました。

 

 原作は映画に登場しない人物の視線で書かれた部分もあり、

全体としてやや冗長に感じられます。

ロマンスというよりミステリで、怪人の過去が詳しく書かれる一方、

最後までその人となりは謎に包まれています。

 映画や舞台における怪人は、顔の半分を仮面で覆っています。

しかし原作ではより醜悪でおぞましい姿だとされており、

顔はまるで骸骨のようで、顔全体を隠してオペラ座の地下で暮らしています。

 パリのオペラ座ことガルニエ宮は現存する建物で、

今でも公演が行われおり、なんと見学も可能らしく、

ぜひ一度訪れてみたい場所です。

映画でもちょこちょこ描写されているように、

この劇場はとにかく広く、お客さんが入れるスペースは元より、

裏方のスペースがこれまた広々としています。

当時は今より多くの人が働いていたのでしょうが、

広大な劇場に入れ替わり立ち替わりやってくる大勢の人たちがいたならば、

幽霊ならぬ怪人のうわさが立ち上るのも無理はないと思います。

  人とは思えぬ美しい歌声で歌姫を地下へと誘う怪しい男の姿――

仕事の後の楽屋で若い娘さんたちがキャアキャア言いながら

怪人のうわさに声をあげていた姿が目に浮かぶようです。

 怪人の「魅惑の歌声」は、映画では力強いロック系になっています。

しかし、「やさしい天使の歌声系」でイメージされている方も多数おり、

映画レビューでもやはり、歌声について散々な言い方をされているのを

見つけてしまい、人気作の映画化の苦労を感じ取り、

そういう面でも上映当時の記憶が鮮やかに残っている1作です。

 映画の歌唱シーンはみんな好きなのですが、

今回見直してみて改めてかっこいいと感じたのが仮面舞踏会のシーンです。

 舞台だと色の洪水か、ってくらいに色とりどりの仮装をしている客人たちですが、

映画では金・白・黒の3色でまとめられています。

映画と舞台だと見せ方が異なるのは知っていたけど、なるほどこういうことか、と

思わせてくれる違いぶりです。

舞台には舞台の、映画(映像)には映画の見せ方があるんですね。

少ない色数なので、物語の主軸である怪人の赤と歌姫のピンクが際立ち、

より一層ドラマチックなシーンに仕上がっています。

  仮面舞踏会のメロディーは、物語の終盤でオルゴールが再度奏でています。

生涯顔を隠し続けて暗闇に生きてきた怪人は、

オルゴールも仮面も捨てて

1人静かに、また闇へと消えていくのでした。

 

 蛇足ですが、仮面舞踏会のシーンで、

階段の上でソロを踊る黒白の仮面をつけた男性が、

とにかく目をひいてしょうがない(笑)

体の使い方が際だっていて、容姿も相まってパペットみたいなダンスなんですよ。

格別にかっこよかったです。

 

【映画のキーワード】

#ミュージカル #パリ #薔薇

 

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