映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「コンタクト」

But everything I know as a human being, everything I am tells me it was real.

映画「コンタクト」

 

”われわれ人間ごとき卑小な存在にとって、果て知れぬ宇宙の大きさは、

 愛によってはじめて能くこれを負うことができるということである。”

書籍「コンタクト」

カール・セーガン 著

高見浩・池央耿 訳

 

映画"Contact"

1997年

ロバート・ゼメキス 監督

 

 宇宙からのメッセージを読み解いて、太陽系外の知的生命体と

接触(コンタクト)することに成功した科学者:エリー。

無事帰還した彼女を待ち受けていたのは、彼女がコンタクトによって得た

啓示とも呼べる体験を、でっちあげだと疑う人々だった。

そして彼女は、自らの心に深く影響した体験を証明する物的証拠が何一つなく、

すべては自分の頭と心にしか残されていないことに気づくのだった――

 

 映画は観た覚えがあったけど、原作がこんなに長~い

本格SFとは思っていなかったので、ゆっくり読み進めました。

おかげで話はしっかり頭に入ったけれども、

細かい科学の話はどうにもわからないところが山ほどあって、

それこそ数学の教科書を読んでいる気分になりました。

 やさしく説明してくれているのは、わかります。

しかし、頭はそれほどよくないのだよ。残念ながら。

さらにいえば、科学のことがわかっていないとラストのくだりが

全然意味をなさなくなってしまうので、がんばりたかったのですが、

もう一歩踏み込めなかった感があります。

 

 読めるとこだけ読んでエリーの試みを自分なりに解釈した結果、

私も作中の神学者パーマーと同じ意見です。

――遠回りすぎやしないかい?

 対するエリーの返答は、

――数学に啓示を求める他に、人類をひとつにする道はない

数学なしに万人の心に神の存在を知らしめることはできない、

とばっさり斬っておられます。

どれほど遠回りに見えても、一般的に宗教のイメージとして思い浮かべる言葉の

群れから離れて、アカデミックな立場で神を探そう、と勧めているのです。

 もし、数学の中、もっと言えば、自然の中にしか神を見つけることが

できないのであれば、数学のセンスがない人には

感知できない神が存在してしまいます。

さあ、困ったぞ。

私のような、数学の200満点のテストで50点とった人は、どうしたらいいのか。

 まぁでも、ご安心ください。

作中で真理は高度で複雑なものではなく、

誰にでも読み解けるかたちである、とされています。

1たす1が2になるように。

筋が通っていて、誰もが説明なしにパッと見て理解できる。そんな風に。

 

 原作が上下2巻にわたる大作なので、映画はかなり端折って、

切って貼って繋げていますが、それでも2時間超えとなっています。

 原作を読むと、改めて映画化の苦労がしのばれます。

よくぞここまで本質を見失わずに1本の映画にまとめたな、という印象です。

数理が苦手なコザクラも、数学について深く思考することなく、

映画の世界に没頭することができました。

 ・・・・・・あべこべなことを言うようですが、

映画が気に入った人には、ぜひ原作も読んでいただきたい。

同じ話であることは間違いないけれども、別の側面が見えてきます。

 

 私たちはいまだに、愛を証明できていません。

心の在処がわかっておらず、誰にでもわかるようなかたちで提示できないのです。

しかし、確かに経験した覚えがありますし、私はその体験を夢や幻覚だと

疑ってはいません。

何一つ、証拠はないけれども。

 とても不思議だと思いませんか。

 もし愛が数式のように共通言語で表されたなら、一体どんなでしょうか。

個人的な感覚でいえば、1たす1が2になるようにシンプルな数式で

表されるような気がしています。

でも実際に経験した愛は複雑で様々な側面をもっています。

お手本や正式、正道の愛がわからない以上、何かの基準を外れた愛を

「例外」とすることも難しい。

 う~ん。わからないなぁ。

確かにここに、あるのになぁ。

 

【映画のキーワード】

#SF #宗教 #北海道

 

 

 

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