映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

ディズニー・アニメ映画「ピノキオ」

Now, you see, the world is full of temptations.

ディズニー・アニメ映画「ピノキオ」

 

”金貨をうめれば、金貨がなるって?

 豆やカボチャじゃあるまいし。

 まあ、おれもそんなことを信じてたときがあって、おかげでこんなありさまさ。

 ま、今となっちゃ、遅すぎるが、やっとわかった。

 金というものは、まっとうなことをしてかせぐものさ。

 手に汗してかせぐもよし、知恵をしぼってかせぐもよし。”

書籍「ピノキオの冒険」

カルロ・コルローディ 著

金原瑞人 訳

映画 " Pinocchio "
1940年
ベン・シャープスティーン/ハミルトン・ラスク 監督

 

 ディズニー3大トラウマ映画は、「不思議の国のアリス」「ダンボ」

そして「ピノキオ」ではないかと考えています。

不思議の国のアリス」は「大工とセイウチのシーン」が、

「ダンボ」は「ピンクのゾウのシーン」が、

そして「ピノキオ」は「子どもたちがロバになるシーン」において

およそ子ども向けらしからぬホラー感で他のディズニー映画の追従を許しません。

 子どもの頃の私に「ピノキオ」を観た覚えがないのは、

単に家にビデオがなかったからですが、実のところあったとしても

進んで観ようとは思わなかったと思います。

 それと言うのも私コザクラは、子どもの頃に実家に存在したマリオネットが

恐怖の対象で、人形の仕舞われた納戸には徹底的に近づかなかったからです。

 

子どもの目で見た時に感じた恐怖はいまだに体が覚えており、

大人になった現在でも、私は人形を苦手に思う節があります。

 第一、ピノキオに関してはちょっとレビューをのぞき見れば、

問題のシーンがみんなのトラウマになっていることがすぐにわかります。

他人の感想を読んでも暗い気持ちになるのに、それを映像で見た晩には

必ずといっていいほど悪夢をみて金縛りで苦しむことになるでしょう。

 

――とは言っても、食わず嫌いは褒められたものではありません。

ここは子ども時代の恐怖を忘れて、

大人ぶって「作品」を「鑑賞」しようじゃありませんか!

 

 

 結果、ざんぱい。

・・・・・・まあ、わかってましたけど。

原作も読んでみましたが、映画がマイルドに思えるくらいには悲惨さが

アップしていて、正直胸焼けが・・・・・・うぅっ。

 こんなに怖い童話が児童向けの新聞に連載されていたとは、

ちょっとびっくりします。

ピノキオは生まれつきの悪たれで、出会う人にだまされたり

助けられたりしながらまっとうな人間に、

木の人形から文字通りの人間に生まれ変わります。

 しかしその課程が怖い。

何度も死にかけています。

親の言うことを聞かず、勉強もせず、働きもしない子どもは、ろくでもない。

したがって、ろくでもない末路をたどることになりますよ、という教訓ですね。

 自分が子どもだった頃、天使だったかと言われれば、答えは "No."

性悪説をとるわけではないけど、「かわいくて素敵なだけの子ども」には

会ったことがないので、いないと信じています。

成長した大人が悪に染まったと考えるよりかは、元々清濁持ち合わせており、

成長するにつれて自分の悪性とうまく付き合えるように

折り合いをつける術を学ぶものだと思っています。

 どんなにピノキオが悪ガキでも、子どもである以上責められないんですよね。

もちろん、「このクソガキがっ!」ってくらい腹がたつこともあるんですけど。

大人と同じ物差しで見てはあかんよな~、と自分を省みる気持ちになりました。

 

 作中登場人物としてピノキオ並に有名なのがブルー・フェアリーです。

彼女はピノキオに命を吹き込んだ妖精で青い衣をまとった金髪のお姉さんですが、

なぜか原作では青いのは服ではなく髪の毛で、

その役割も妖精という1つの肩書きに収まりません。

おそらく大人の事情で――というかデザイン上の問題で見た目を変え、

おおざっぱに「妖精」というくくりでまとめられたものと思われます。

 原作は長くて辛くて読むのに苦労しましたが、彼女が登場するシーンは

「助け」があることがわかっていたのでほっとすることができました。

子ども時代の苦しい時に、ブルー・フェアリーのような一息つける存在が

いてくれたら、どんなに救われただろうか、とふと思いました。

 

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#ディズニー #イタリア #星に願いを

 

ピノキオの冒険

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ピノキオ スペシャル・エディション [DVD]

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  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: DVD