映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「美女と野獣」

Now I know she'll never leave me. Even as she fades from view. She will still inspire me. Be a part of everything I do.

映画「美女と野獣

 

 星占いの話で、こう聞いたことがあります。

土星ってつまり、『美女と野獣』の野獣なの。

 初対面の印象は最悪で、できれば関わりたくない相手。

 けれどもその嫌悪感や苦手意識を乗り越えて、

 自分のものにすることができると野獣から王子様に変わる。

 私が必要としていた、本当に望んでいた相手だってわかるの。」

 

 それを聞いて思ったのが、「野獣の反対語は王子様なのか」ということ。

野獣とはつまり、ケダモノなわけで、

王子様といえば、つまるところ女の子の理想の恋人像なのです。

 

白馬に乗った王子様。

 

 しかも「美女と野獣」の原作に登場する王子様は、

それはもう見目麗しく立派な殿方とのこと。

さらにディズニー映画とは異なり、仙女に意地悪されて野獣になっただけで、

本人には落ち度がないという悲劇のヒーローでもあります。

加えてハンデのつもりなのか、美しい姿を奪われてみにくい獣に変わるだけでなく

知性までもを取り上げられています。

 

 同情の余地あり。

 

 ところが野獣は、初対面の娘さんに求婚するのです。

「いやです。」と美人のベルは、はっきり断りますが、

野獣は落ち込むものの紳士的に身を引きます。

呪いを解く唯一の方法である「美しい娘が野獣との結婚を承諾する」を伝えずに、

毎晩夕食の席で楽しくおしゃべりした後での求婚は続き、

とうとうベルが耐えきれなくなって「やめてくれ」と言い出す始末。

 

 これは、断る方だって辛い。

 

 なんやかんやあって、瀕死の野獣の元へ駆けつけたベルは、

死を受け入れようとする野獣を前にして、とうとう求婚を受け入れると宣言します。

ベルの言葉で悪い仙女の呪いは解け、野獣の姿は消え、

代わりにベルのそばには王子様が横たわっています。

しかしベルは一目で王子様が野獣だったとは気づきません。

本人から「自分が野獣でした」と言われます。

 

”でもベルは、どうしても野獣のことが気になって、

 たずねないわけにはいきませんでした。

 

 「野獣はここにいますよ。」

 と王子がいいました。”

 

書籍「美女と野獣

ボーモン夫人 著

末松氷海子 訳

 

映画 " Beauty and the Beast "

2017年

ビル・コンドン 監督

 

 ディズニー映画で一番大好きな「美女と野獣」の実写映画を観て、

私は少々がっかりしました。

がっかりした理由の大半は「アニメーション映画と異なる展開やシーンが

とにかくいちいち気にくわない」といういかにもオタクらしいもの。

 時を経て実写を観直してみた時、「公開当初は受け入れられなかったけど、

アニメーションと別物だと思えばこれはこれでいいな」と思ったのですが

やっぱり少々がっかりしたところがありまして、それがこれです。

 

 野獣が王子様に変わったことに対するベルの順応性の早さ。

 

 アニメーションの時には、ベルの戸惑いや確かめるような仕草、

そして気づいた時の驚きと喜びが丁寧に描写されていました。

けれども実写では「目を見て気づいたんだな、野獣が王子様と同じひとだってことに」

とは思うものの、言葉を交わすこともなくキスシーンへ。

 もっと盛り上げてほしかったな、と残念に思います。

 

 野獣の体が光に包まれて人間の男性に変わったら、

それは同一人物で、呪いが解けた野獣の本当の姿だってことはわかります。

おとぎ話なんだから。

ここで新しい登場人物はいらないでしょう。

 でもベルはそうじゃなかった。

言葉を交わして、触れて、目を見て、ようやく気づいたんです。

そして王子様もそれを怒ったりしなかった。

 

 野獣が王子様に変わるってことは、180度反対を向くような極端な変化です。

 ベルは突然現れた知らない男性に驚いたけど、王子様を怖がりはしなかった。

王子様の中に野獣を見つけたから。

自分が愛を誓った相手を見つけることができたから。

 

 しかし!

実写映画をエマ・ワトソンが演じてくれて、本当によかったです。

知的な美人で愛嬌のある栗色の髪が似合う女性は、

彼女の他に候補がないくらい私の中ではイメージ通りでした。

2時間見つめ続けても飽きない美女って貴重です。

本当にかわいかった。

 

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#ディズニー #ミュージカル #2人きりの舞踏会

 

美女と野獣

美女と野獣