映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「ジュマンジ」

A game for those who seek to find a way to leave their world behind

映画「ジュマンジ

 

 2019年に最新作が公開されて完結した映画「スター・ウォーズ」の大事なテーマを

一言で伝えるなら、「息子が父親を超え、和解する話」かな、と思っています。

  母と娘ではなく、母と息子でもなく、父と娘でもない。

他ならぬ、父と息子。

因縁の関係。

  宇宙空間を舞台にした大戦争のイメージが先行しますが、

ひとりの人間が男に成長し、父親と向き合う姿の方が強く残っています。

 きっと、これって一種の通過儀礼なんでしょうね。

人間が成長する過程で必ず現れる、「常に頭を上から押さえつけられている

みたいに感じる相手」との葛藤、そして折り合いの付け方。

肉体的な性別や個人の境遇に関わらず「息子役」として、

そういう「父親役」の役割のひとと向き合わなければならない時間が、

どんなひとの人生にも存在しているのだと感じています。

 

 さて、今回取り上げた映画は銀河系ではなく、アメリカの静かな町が舞台です。

 「ジュマンジ」と呼ばれるボードゲームを、注意書きを読まずに(!!)

始めてしまったから、さあ大変!

ゴールするまで終われないこのゲームは、恐ろしい魔法で家をジャングルに変え、

町中にはアフリカの動物があふれかえり、大パニックになってしまいます。

4人の内の誰かがゴールして「ジュマンジ!」と叫ぶまで、

襲いかかる災難をよけて、とにかくサイコロを振れ!!

 

 1995年の映画ゆえに、CGや特撮はちょっと気になるかもだけど、

子ども時代にリアルで観ていた世代としては、息もつかせぬスリリングな展開に

結末がわかっていてもハラハラさせられっぱなしです。

  それに、この映画、ちょっと怖いのよね。

本筋を変えずに演出を変えたら、そのままホラー映画になりそう。

 

 しかしこの映画に原作となる絵本があることは、

本当につい最近まで知りませんでした。

正確に答えると2019年のテレビ放送で、作者の特集番組に偶然チャンネルが

合わさっていたため、絵本の存在を知ることができたのでした。

  絵本の主人公は、姉のジュディと弟のピーターの2人。

映画では26年後の世界でゲームを再開させた2人ですが、

絵本では2人だけでゴールを目指します。

ラストのオチは「ゲームをする前に注意書きをよく読みましょうね」というもの。

まあ、この2人は読んだ上で鼻で笑っていましたけど。

  結構軽いノリでゲームをしているので、それほどホラー感はありません。

お子様にも安心しておすすめできる一冊です。

 

書籍「ジュマンジ

クリス・ヴァン・オールズバーグ 著

辺見 まさなお 訳

 

映画 " Jumanji "

1995年

ジョー・ジョンストン 監督

 

 なお絵本では、父親との確執については取り上げられていません。

映画化に際して、脚色されたテーマなのでしょう。

  映画を見直すと、子どもの頃は気が付かなかったけど、

ゴール手前でハンターに見つかった主人公が、逃げずに立ち向かったことを、

ハンターは称えているんですよね。

これでもかってくらい執拗に主人公を追いかけ回し続けたハンターが、

とうとう主人公を追い詰め、息の根を止める寸前の会話で、こう言うんです。

 

 「偉いぞ。

  やっと男になったか」

 

 映画の冒頭で主人公は学友にいじめられ、父親からは恐怖から逃げるな、

と厳しく叱咤されています。

散々いじめられて唇からは血を流し、夕食の席で父親と言い争いになり、

家出しようとしていた男の子。

その男の子がゲームを通して成長し、死の間際でも敵から逃亡しなかった。

肉体だけでなく、精神的に「男」になったのです。

 

 ところで私、主人公の父親と、主人公の宿敵であるハンターの2役を

同じ役者さんが演じていることに、今日まで気が付きませんでした。

キャストを見たら、あら同じ。

 そういえば他の映画でも、同じように父親と敵役が

ダブル・キャスティングされていたことがあったのを思い出しました。

なかなか気が付かないものです。

 

【映画のキーワード】

ボードゲーム #冒険 #父と息子

 

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