映画「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」
映画"Tout en haut du monde"
2016年
レミ・シャイエ 監督
ちょちょちょ、ちょっと待ってください。
え? フランス語??
これは、ロシア貴族のお嬢さんが主人公のアニメ映画ですよね?
この映画は、フランス・デンマークで共同制作されたアニメ映画です。
物語は、19世紀のサンクトペテルブルク(ロシア西部の都市)から始まります。
主人公は、14歳の少女:サーシャ。
貴族の生まれながらも、冒険家の祖父の影響で、お嬢様らしからぬお転婆娘です。
北極点到達を目指して旅立ったまま行方不明となった祖父を探して、
家を飛び出し、北へ向かう船に乗り込みます。
冒頭の話に戻りますと、この映画はフランス語で制作されています。
サーシャもその家族も、乗り込んだ船の船員たちも、皆フランス語で喋ります。
ただ、ですね、19世紀のロシア貴族の間では、
フランス語は、当たり前に話されていた言語なのです。
当時のロシア貴族にとって、ヨーロッパの諸言語は必須科目。
マルチリンガルも珍しい話ではなく、フランス語、英語、ドイツ語などが
話されていたそうです。
映画が当時の言語を反映して、フランス語を採用した……わけではないと
思いますが、そういった過去があったことを思うと、
フランス語でも違和感なく聞くことができるから不思議です。
しかし、マルチリンガルが求められる社会って、
現代日本からすると恐ろしいです。
例えば、英語をはじめとする外国語でなかったとしても、
「今日から各地方の方言をマスターしてもらいます。
その地方では、必ず方言を使用して喋ってください」
なんて言われたら、同じ日本語の枠内であってもわずらわしいでしょう。
言語に制限をかけたり、統制をとられたりしたら、
日常生活で使う度に、鬱陶しくてイライラするのは、容易に想像できます。
……………………Google先生は、偉大だなァ。
お世話になっています、Google翻訳。
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