映画「ダージリン急行」
書籍「地球の歩き方 aruco 5 インド」
地球の歩き方編集室 著作編集
映画"The Darjeeling Limited"
2007年
ウェス・アンダーソン 監督
地元のラーメン屋の話なんですけど、
あんかけラーメンがおいしい、と評判の店があり、数年前に足を運びました。
揚げ焼きにしたたっぷりの野菜を、熱々とろとろのスープにからませて
食べる喜び……と思ったら!!
甘い!!!
なんじゃこりゃ!!!!!
凄く甘くて、一緒に行った人と「砂糖の量間違えてない?」とヒソヒソ。
思わず周囲を見回しましたが、他のお客さんは何も言わずに受け入れている様子。
自分たちがおかしいのか~?とも思いましたが、
あまりの甘さにスープを飲むのをためらう程で、
結局それ以後、二度と訪れていません。
でも、あそこまで甘くなければ、リピート必至だったくらいには、
元の味はとてもおいしかったです。
口コミを見ても「おいしい!」と評判で、
特に「甘すぎる店」とは認識されておらず、コザクラの中ではいまだに
「味は好みだが、甘すぎて自分の舌がわからなくなる店」
として記憶に残っています。
コザクラにとってのウェス・アンダーソン監督作品は、
上述のあんかけラーメンに似た立ち位置です。
「とてもおいしい!」と「こういうところが絶対的に無理」が共存しており、
取り上げて記事にまとめる、というのが非常に難しい作品です。
今回取り上げた映画「ダージリン急行」は、監督・脚本・制作と
全面的に関わっており、アンダーソン監督らしい作品の一つとなっております。
この映画は、インドを旅する3人兄弟が、
過去に得た物を全て失い、新しい物を得る話です。
抽象的でしょう?
これは、実に神話的な話だと思っています。
父の死をきっかけに旅に出て、精神面(兄弟喧嘩や、パートナーとのあれこれ)
と、肉体面(列車内でのいざこざや、川で溺れた子どもを助けたこと)で
冒険の日々を過ごし、ついに目的地である母のいる修道院にたどり着く。
しかし母は、啓示(あるいは真実)を与えて姿をくらます。
3人兄弟は日常に戻るが、最後の試練(列車に乗り遅れる)を前に、
全てのトランク(過去への執着)を捨てて、走る列車に飛び乗る。
3人の間には友情(旅で得た宝物)が芽生えており、
それぞれの人生に光があることを、兄弟たちの表情が教えてくれる。
ストーリーは凄くわかりやすい部類の作品だと思います。
だから、「うう~ん」となるのは演出、カメラワークや俳優の演技なんですよね。
そこがハマれば、好きな人は本当に好きになると思います。
まだ、この監督の作品を味わったことには、ぜひ一度試していただきたいです。
うまけりゃ儲けもの。
うまくなくても、自分には合わなかったのだと思って、店を出ましょう。
さて、今回ご紹介する書籍は、ガイドブックシリーズの1冊からです。
海外旅行のお供と言えば、「地球の歩き方ガイドブック」が鉄板ですね。
同じ会社から、女性旅行者をターゲットに発売されているシリーズが
「aruco(アルコ)」です。
中を開くと、文章量とページ数で勝負している「地球の歩き方」とは別物で、
写真やイラストを中心に、ページがつくられていることがわかります。
巷に溢れる女性向け旅行本でよく見るA5くらいのサイズで、
持ち運びしやすく、取り外せる別冊MAP付き。
しかしそこは腐っても「地球の歩き方」派生シリーズ本。
他の旅行会社の類似本と比べて、情報量が多い。多い。多い!
女性の一人旅に危険なイメージがつきまとうインドは、
女性向け旅行本シリーズの中ではスルーされがちですが、
シリーズ5冊目でいきなり「インド」ぶちかましてくる辺り、
ガイドブック老舗としての「地球の歩き方」のプライドを感じます。
コザクラが次に海外旅行に行く時はぜひ「aruco」のお世話になりたいのですが、
難点が一つだけあります。
それは、文字サイズが小さい、ということ。
他の小さいサイズの旅行本でも思うんですけど、
あまりに文字が小さいと、暗い部屋の中や夜間に本を開いた時、
全然読めなくてスマホの灯りで読むことになるんですよね。
もうちょっとだけ字が大きくなると、読みやすくて助かります。
【映画のキーワード】
#ファミリー #トラベル #世界の車窓から