映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「コンスタンティン」

The Sacrifice...

映画「コンスタンティン

 

”一見、不条理な神の行いも、それは人々の信仰心を試すためのものだ。

 悪があるからこそ善の存在がきわ立ち、神へのありがたみも増す。

 それを人間にわからせるために、神の命令を受けた天使たちが

 あえて地上に混乱を起こしているとされたのだ。

 その天使たちこそ、サタンである。”

書籍「『天使』と『悪魔』大全」

榎本秋 監修

 

映画"Constantine"

2005

フランシス・ローレンス 監督

 

 引用文は、サタン(魔王)の役割を説明する文章からとりました。

当初、神の命令にしたがって、人間に試練を与える、言わば「嫌われ役」の

神のしもべ(天使)であったサタンが、後に世界の不条理そのものの原因として

神に代わって、その役目を担うことになった経緯が、説明されています。

同じ役目を背負わされた存在には、「悪魔」の他に「堕天使」もいます。

彼らは皆、完全無欠の神の善性を高めるための、舞台装置とも言えます。

 今回ご紹介する映画には、魔王サタンが登場します。

しかし彼は作中で「ルシファー」とも呼ばれ、これは堕天使の名前です。

元々別の存在だった可能性もありますが、サタン=ルシファーという構図は

よく見られるもので、神に最も近く、神に最も愛された天使が、

傲慢さから堕天して、最悪の魔王となった――という筋書きが有名です。

 まぁ、ドラマチックですよね。

神が唯一絶対のものであるなら、それに敵対する魔王にも、

それ相応のストーリーを求めるのが、人情ってものです。

個人的に、旧約聖書新約聖書は難解で、読みたいとは思わないのですが、

こういう個々のキャラクターの話は、読み物として凄く魅力的だと感じます。

 

 さて、今回の映画は、悪魔祓いを生業とする、

ヘビースモーカーの三十路の男が主人公です。

名前は、ジョン・コンスタンティン

 パッと見、不健康そうな男です。

そして見た目の通り、若くして肺は真っ黒で、肺がんで余命僅かとなっています。

それなのに止めない、煙草。

20年以上、毎日30本(!!)吸っているというんだから、当然です。

 しかし彼は、このままでは死ねない、と焦っています。

なぜなら彼は――

 

 今回は、ネタバレは禁止です。

 気になる方は、ぜひ映画をご覧ください。

 ただ、「自殺」というワードがアウトな方には、視聴はおすすめできません。

 

 話を「天使と悪魔」に戻します。

 作中のルシファー(サタン)は、ピーター・ストーメアが演じています。

はじめて見た時、「……天才か?」と思いました。

ヴィジュアルの話です。

もちろん、演技も素晴らしい!

でも、本作のルシファーの外見は、合格ラインを大幅に超えてきました。

 一見、白いスーツのきちんとした身なりなのに、足元は真っ黒け。

タールのようにも、火傷のようにも見えます。

後述するガブリエルもそうですが、裸足というのが、またいいんです。

人間じゃない、ということが、見た目からビシビシ伝わってきます。

 フィクションだとルシファーって、女性的な男性として描かれるイメージが

強いのですが(髪が長いとか、イケメン過ぎてまつげがふさふさとか)

そういう方向じゃないのも、面白かったです。

ちょっと想像してなかったけど、結構……いや、大いにアリだな、という感じ。

こうやって書くと「ただのおっさん」を想像されるかもしれませんけど、

ストーメアの演技で「気味が悪いのに色気があるおっさん」として

ルシファー像を確立させています。 お見事!

 自分史上、「絶対に関わりたくない悪魔」ナンバーワンです。

ろくでもない奴だっていうのが、端々から感じられるもの……。

 

 次に、ガブリエル。

大天使ガブリエルとは別人で、厳密に言えば天使ではありません。

まあでも、近い存在です。 天界側の存在。

演じるのはティルダ・スウィントン

女性が演じていますが、ガブリエルは、性別を超えた存在にも見えます。

 名前の由来と思しき大天使の方のガブリエルは、

聖母マリアに受胎を告げた天使。

「あなたのお腹に救世主:イエス・キリストがいますよ」と言った天使です。

このエピソードから、性別の概念を持たない天使の中では、

特例的に女性的な性質を見出されることが多いそうです。

 そして彼女も裸足。

作中では彼女の素足が、主人公の顔面を踏みつけるという

一部界隈ではご褒美とされるシーンも登場します。

 

 綺麗なお姉さんに踏みつけられたい方に、ぜひおすすめしたい映画です。

 

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