映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」

映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」

 

映画"Pad Man"

2018

R・バールキ 監督

 

 禁忌――タブー――とは、「言ってはいけないこと、してはいけないこと。

清浄と不浄の決まり事で、両者の近接を禁止する、社会的な約束事。」です。

女性の月経(生理)は、日本も含めて世界中の様々な地域で、

「不浄」とされることが多く、それは現代社会においても、残っています。

 感覚としては馴染みがあっても、改めて考えると、不思議です。

生殖に関わる事柄が、生命に直結する大事な話題であるが故に、

秘匿され、話題にあげることが禁止されてきた、というのはわかります。

でもその一方で、初経(はじめての月経)は、

おめでたい事とされているじゃないですか。

本来、穢れ(ケガレ)として忌み嫌われる月経が、

なぜか最初だけ祝い事(ハレ)として扱われる。

 変でしょ。

こういうところが、文化のおかしいところで、表裏一体というか、

ケガレとハレが密接にくっついていることを、まざまざと感じさせます。

 

 さて、映画はタブーを扱い、一部の国・地域から上映禁止という猛反発を

食らった「パッドマン 5億人の女性を救った男」です。

以前取り上げた映画「パドマーワト」もそうだけど、

インド映画って、宗教や文化的に際どい題材も結構ぶっ込んでくるよね。

目に見えるタブーが多いからこそ、

何を選んでもアウトラインに引っかかってしまうのか。

あるいは、ラインだらけの現代インド社会に、風穴を開けてやろうというのか。

 そういう意味では、この映画は後者に当たります。

脚色されているとはいえ、実在する「生理用ナプキンをインドに広めた

ぶっ飛んだ男:アルナーチャラム・ムルガナンダム」を主役に据えた本作は、

不衛生な環境に置かれた貧しい女性の生活向上のために

一人の男がもがき、苦しみ、何度も失敗を重ねる様を描いています。

所々に、「それはさすがにヤバイだろ」と思うシーンがあるのですが、

どこまでが脚色かわからず、ちょっと困惑しました。

 やっていることはアウトラインぎりぎり……いや、ちょっと超えているけど、

どんな分野や業界でも「ファースト・マン」ってのは、格好いいもんです。

 よっ! インドのリアルスーパーヒーロー!!