映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

ディズニー・アニメ映画「白雪姫」

Magic Mirror on the wall, who is the fairest one of all?

ディズニー・アニメ映画「白雪姫」

 

”鏡よ、壁の鏡よ

 国中で一番美しい女はだれ?”

書籍「グリム〈初版〉を読む」

吉原高志/吉原素子 編集

 

映画"Snow White and the Seven Dwarfs"

1937

デイヴィッド・ハンド 監督

 

 最近、ウォルト・ディズニーの伝記本を2冊ほど読みました。

そしたら、無性に観たくなってしまい、TSUTAYAに走ったというわけです。

 ディズニーの長編映画第1作目、映画「白雪姫」。

 歴史を変えた映画です。

グリム兄弟の童話を原作に、世界初のカラー長編アニメーション映画として

世を驚かせ、今日振り返ってみても、目覚ましく、世に二つとない名作です。

 

 アメリカでの公開は、1937年――歌手の美空ひばりが、生まれた年です。

第二次世界大戦を挟んで、遅れて1950年に日本でも公開され、

アメリカと日本の国力の違いを見せつけました。

 漫画家の手塚治虫が、ディズニー映画に並々ならぬ思いを抱いていたことは

有名ですが、「白雪姫」に関しては、映画館で50回以上観たという

嘘みたいな説が出回っています。

多分、本当なんでしょうね。

ちなみに、一番影響を受けた映画「バンビ」については、

80回以上鑑賞したそうで、いやはや、本当に天才ってヤツは、

悪くすると「視野が狭い」とでも言われそうなほどに、

こうと決めたら一本道ですね。

 コザクラも子どもの頃は、毎日同じ映画を観ていました。

飽きるってことが、なかったんです。

でも大人になった今は、毎日じゃなくても、

一度観た映画をもう一度観るなんてことは、滅多にありません。

 なんなんでしょうね。

あの頃の情熱って。

 手塚先生は、大人になっても、あの時の「熱」ってものを

ずーっと持ち続けていたんでしょうね。

 

 さて、本当は怖くて有名な「グリム童話」の中でも、

知名度の高い作品「白雪姫」。

今さらあらすじを書くのもバカらしいですが、

念のため書いておきますと、継母からのいじめにあったお姫様が、

継母から命を狙われ、7人の小人の住まいに隠れるも見つかり、

仮死状態になるが、真実の愛のキスで目覚め、

王子様と一緒にお城に帰る――というお話です。

 でも、昔話が口伝えで広まったように、

同じ題名の童話でも、子細が異なることがあれば、

異なる名前・設定でも似たようなストーリーのものもあります。

もちろん「白雪姫」にも様々なバージョンがあります。

 引用した書籍によると、白雪姫が目覚めるきっかけもいくつか違いがあり、

咽にひっかかったりんごの欠片を、医術で取り除いた場合もあれば、

偶然、白雪姫の体に振動があって飛び出した場合もあります。

なお、本著では語られていませんが、

「真実の愛のキスで目覚める」というのは、

おそらくディズニーの創作でしょう。

 

 ディズニー作品を観た後で、原作に興味を抱いて書籍を開くと、

元になったお話が、あまりにも薄味でびっくりすることがあります。

衣をつけて揚げて、砂糖をまぶしたお菓子の味に慣れてしまうと、

素材そのままの味――果物の酸味や主張の激しくない甘み――が、

妙に感じられるように、「こんなものなの?」と途方に暮れます。

咽につまったりんごの欠片が吐き出されるより、

恋しい人の口づけで目覚めた方が、何倍もロマンチックです。

 この手の書き換えが、原作の旨味を損なわせている、という意見もあります。

そうですよね。

別物になっちゃってますよね。

 でも、原作が昔話であり、語る人によって力の入れるポイントが変わったり、

登場人物が増えたり減ったりすよるような性質の物語なので、

描いた人によって変化するのは、自然なことではないかな、と思います。

そして、これだけの長きに渡って、世界中で鑑賞されてきた結果から言えば、

ウォルト・ディズニーの語り口は、それだけ受け入れられたわけです。

そりゃ、面白いわけだわ。

 

 さて、2024年にはディズニーから実写映画の「白雪姫」が公開されます。

 現代のディズニーの語り手の手腕、見せてもらおうじゃありませんか!!

 

【映画のキーワード】

#ディズニー #童話 #メルヘン