映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

ディズニー・アニメ映画「シンデレラ」

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ディズニー・アニメ映画「シンデレラ」

 

”それにしても、シンデレラという、さまで人類の運命には関係のなさそうな

 単純な昔話が――なにもシンデレラとは限らず、大方の昔話について

 言えることだが――、人類の発祥のころから綿々と語り伝えられ、

 洋の東西を問わず世界のいたるところでさまざまのヴァリエーションを

 もって広がりながら、ほぼ同じ問題を問題にし、ほぼ同じ解決を提出している

 のこそ、その起原どこにあるかとか、東洋と西洋の話の差異と同一は

 どこにあるかといった問題よりも、より以上に興味あることではないのか。”

書籍「世界のシンデレラ物語」

山室静 著

 

映画"Cinderella"

1950

ウィルフレッド・ジャクソン/ハミルトン・ラスク/クライド・ジェロニミ 監督

 

 英語では「シンデレラ」、フランス語では「サンドリヨン」、

和訳では「灰かぶり姫」――これは、主人公が下働きをさせられ、

台所の隅でかまどの灰を被っていたことから名づけられています。

 バレエやオペラの演目としても馴染みが深いこの話は、

現在でも映画や舞台の題材に度々取り上げられ、

新しい物語として紡ぎ直されています。

継母や義姉たちからのいじめにもめげず、最後には玉の輿に乗るという

サクセスストーリーは、非常に人気があり、

日本も含め、世界中で類似の昔話が見受けられます。

 世界中に分布する「シンデレラストーリー」について取り上げているのが、

今回引用した書籍「世界のシンデレラ物語」です。

なるほど。

世界には様々な昔話が存在しますが、「シンデレラ」は特に好まれ、

また歴史の波にさらわれることなく、現代まで生き残ってきた

「有名かつ人気作品」であるようです。

 逆境を克服する若い女性を主人公にした物語に、これほど人々が夢中になり、

自らの夢を託したのは、なぜだったのでしょうか。

 

 1950年に公開された当時、ディズニー社はなかなかヒット作を出せず、

正に崖っぷちの状態でした。

再起をかけて世に送り出したのが、この映画「シンデレラ」。

大ヒットを記録し、ほっと息をつくことができたわけです。

 ウォルト・ディズニーは本作の構想に二十数年かけており、

かなり初期の頃から、「シンデレラ」のアニメーション化を考えていました。

自身の才覚と愛嬌で、映画史に名を残したウォルト・ディズニー

彼自身、シンデレラと同様に、逆境を跳ね返して成り上がった、

サクセスストーリーの体現者でありました。

 作中歌の「ビビディ・バビディ・ブー」は、受賞こそしませんでしたが、

アカデミー歌曲賞にノミネートされました。

今では誰もが知っている、あの曲です。

 流行歌は時代を象徴しますが、これだけ幅広い年代に渡って知られている歌は、

何と呼んだらいいのでしょうか。

お年寄りから子どもまで、皆が知っている歌というのは、

それほど多くはありません。

「ビビディ・バビディ・ブー」は、世界を変える大きなパワーを持った歌であり、

その歌が含まれた映画「シンデレラ」には、

そういう力があった、ということでしょう。

 

 今回、映画を見直して、改めて思ったことがあります。

それは、「ディズニーヒロインの中でも、ドレス姿が抜群に美しい」ということ。

 ディズニー作品のヒロインたちは、ドレスで着飾った姿で作中に登場し、

観客――特に、幼い少女――の心に強烈な印象を与えていきます。

本作の主人公:シンデレラに限らず、皆、美しいのですが、

シンデレラは頭一つ抜けている感があります。

 ほとんど白に近い薄青のドレスは、装飾が少なく、

クラシカルというより、モダンな印象です。

首に巻かれたチョーカーだけが黒色で、これも装飾のないシンプルなもの。

全体としては、すっきりとして都会的な雰囲気です。

しかし舞台は、昔話の常として「昔々のどこかの国(ヨーロッパ)」という設定。

 だからこそ、シンデレラの姿が他の登場人物や背景の人物に交じらず、

くっきりと鮮やかに、浮かび上がって見えてきます。

 ましてや、足を覆うのはガラスの靴。

ビジュアルとしては、完璧です。

ちょっとやそっとの女では、太刀打ちできません。

 完璧過ぎて、いっそ、シンデレラの方が、

フェアリー・ゴッドマザー(妖精のおばあさん)よりも妖精らしく見えます。

 

 ディズニーで一番の美人、ここにあります。

 

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