映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「海底二万マイル」

The sea is everything-- an immense reseivor of nature, where I roam at will.

映画「海底二万マイル

 

”食器も上品で、しゅみのいいものばかりだ。

 ただ、どの食器にも、きまった文字がきざまれてあった。

 ここにそれを正確にうつしておこう。

  "MOBILIS IN MOBILI" N

 ラテン語で、”動くもののなかの動くもの”という意味だ。

 とすると、これは、この潜水艦を意味している。

 N(エヌ)は、船長の名前の頭文字だろう!”

書籍「海底二万マイル

ジュール・ベルヌ 著

南本史 訳

 

映画"20000 Leagues Under the Sea"

1954

リチャード・フライシャー 監督

 

 東京ディズニーシーが千葉県浦安市に開園したのは、2001年のこと。

今からおよそ21年前の出来事です。

 当時、小学生だったコザクラは「これは凄いものができる!」と

新パークオープンのニュースに興奮したのを覚えています。

運良く家族・友達と一緒に新パークへ足を運ぶことになり、

地方からの日帰り旅行だったので、滞在時間はそれほど長くなかったのですが、

短い時間を遊び倒し、とても充実した一日を過ごしました。

 その時、一番印象に残ったのが「知っているキャラクター・作品の多い

ディズニーランドと違って、全然知らない世界が展開されている」ということ。

行く前は漠然と「ディズニーランドの別バージョン」がディズニーシーだと

考えていましたが、実際に行ってみて、「全く異なるテーマパーク」だと

認識を改めました。

 

 そう思わせたのは、パークのシンボル的存在、プロメテウス火山です。

さらに、テーマポート(テーマ毎に分かれたパーク内のエリア)の一つ、

「ミステリアスアイランド」の根底にあるジュール・ヴェルヌの作品群も

前述の火山同様、個別の世界観を支えています。

 でもこれ、ちゃんとディズニー作品に関連していたんですよね。

 今回取り上げた映画は、ヴェルヌの小説をウォルト・ディズニー

実写映画化した作品です。

原作も映画も知らないコザクラには、ピンとこなかったわけですが、

歴としたデイズニー作品だったわけです。

 ……が、あれから21年を経た現在でも、映画の古さからか知名度は低く、

お世辞にもディズニーの人気作品というわけではありません。

おまけに、近年ではテーマポートの方向性が変わってきたらしく、

より知名度の高い作品とキャラクターに、ネモ船長関連施設が

場所を譲っているという情報をネット上で見かけました。

十年以上、ディズニーシーに足を運んでいないので、

自分の目で確認したわけではないのですが、

ジュール・ヴェルヌの作品群を下敷きにした一連のテーマ性が、

現在では失われているのなら、ちょっと悲しいです。

 

 ミステリアスアイランドには、ここでだけ通じる挨拶があります。

「モビリス!」とクルーに声をかけると、

笑顔で「モビリ!」と返ってきます。

これらは引用した「海底二万里」からの言葉で、クルーは左手を右肩に当てて、

N(エヌ)のポーズをとります。

これは、「海底二万里」に登場するネモ船長の頭文字を表わしています。

 そもそも、パークで働く従業員を「キャスト(出演者)」と呼称する

ディズニーリゾートにおいて、「クルー(乗組員)」と呼ばれるのは

ミステリアスアイランドだけです。

 ディズニーの世界観にありながら、どこか異質で特別な雰囲気のある

ミステリアスアイランド。

より多くの方に楽しんでもらうために、テーマの変更や展示の変遷は

行われて当然です。

気付かないだけで、ミステリアスアイランド以外のテーマポートも

少しずつ変わってきている筈です。

 

 でも、でも~~~!!!

ジュール・ヴェルヌの世界観をディズニー風に落とし込んだ

レトロフューチャーのテーマポートが跡形も無く消えてしまうのは、

正直言って、寂しい!! かなり!!!!

 見せ方を変えながらも、ひっそりとでいいから、

少しは残ってほしい、と願っています。

いつか一緒に行く誰かに、見せてあげたいから。

 

 皆もっと、映画を観てください(懇願)。

原作そのままではないし、どう考えてもアロナックス教授よりも

銛打ちのネッド・ランドの方が主役張っている作品ですが、

愛と復讐に生きたネモ船長の姿が、印象的な映画なんですよ。

 ジェームズ・メイソンの神演技がキラリと光る作品。

生前のウォルト・ディズニーの野望と、

ジュール・ヴェルヌの挑戦を感じる映画でした。

 

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#冒険 #ファンタジー #潜水艦