映画「ゆれる人魚」
映画"Córki dancingu"
2015年
生涯はじめての人魚は「リトル・マーメイド」のアリエルなんですが、
生涯はじめての人魚が登場する漫画は「人魚の森」なコザクラです。
そう、高橋留美子の人魚シリーズのうちの1作です。
多感な小学校中学年に「人魚」のタイトルにひかれてページをめくった
小娘の気持ちがお分かりでしょうか?
その後十年以上、トラウマとしてひきずることと相成りました。
実は、三十を超えた今でも、きちんと読めていない漫画作品なのです。
この映画のあらすじを読んだ時に、「人魚の森」に通ずる
おどろおどろしさを感じ取り、視聴を諦めていました。
……とは言え、ずーっと気になっていたので、
今回、勇気を出して鑑賞することにしました。
グロシーンはあるものの、想像していたよりも観やすく、
これならもっと早く観ておけばよかったな、というのが鑑賞後の感想です。
全編を通して、登場人物が心情を歌って踊って表現するミュージカル映画でもあり、
同時にすごく……ロックンロールです……。
皆まで言いません。
これはぜひ映画本編で味わってほしい。
インド映画くらいしか思いつかないのですが、
ポーランドがつくるとこうなるのね!という驚きがあり、新鮮でした。
すごく良いです。 もっと観たい!
人魚を怪物:モンスターとしてとらえた点において、
「ええ? 怖い!」と思う一方で、昔からの伝承にある人魚は、
こういう化け物として扱われてきたという事実があります。
かわいいだけの人魚や、人間に友好的な人魚は、
アンデルセン以降、付加されてきたイメージなんですよね。
この映画の魅力は、人魚を恐怖対象にした、
ただのホラー映画にしなかった点にあります。
人魚を「人間を襲うモンスター」と位置づけながらも、
アンデルセン童話を思わせるような純真さを兼ね備えた存在として、
人魚の恋と愛を描いています。
ホラー好き、ファンタジー好き、恋愛好きにおすすめしたい1作です。