映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「愛しのアクアマリン」

Can we wish for you to stay here forever?

映画「愛しのアクアマリン」

 

”おともだちとわかれなきゃならないなんて、むねがしめつけられるよう。

 あの子がいないんだもの、うちへかえっても、きっとさびしいだろうな。”

書籍「3人のちいさな人魚」

アレイン・トレ 著

麻生九美 訳

 

映画"Aquamarine"

2006

エリザベス・アレン 監督

 

 一言でまとめるなら、「アメリカのティーンの女の子向け小説の映画版」

といったところです。

例を挙げるなら、「トラベリング・パンツ」に近いイメージ。

 それを聞いて回れ右しようと思ったそこのあなた!

多分、あなたが思うよりかは、この映画は面白いと思いますよ。

だまされたと思って、一度観てほしい、そんな映画です。

 

~あらすじ~

 

 海水浴場を有する浜辺の町に、今年も夏がやってきた!

 クレアとヘイリーはビーチパラソルの影で、

雑誌を開いては(使う当てのない)モテテクを覚え、

イケメンのライフガード(緊急対処員)を覗き見する夏を送っていた。

冴えない女子としてバカにされても平気。

だって二人は親友だもの!!

 ところがヘイリーがオーストラリアに引っ越すことになり、

二人の夏はあと五日で終了……。

このまま、二人の友情も終了してしまうの?

 ――なーんてセンチメンタルに浸っていたら、

嵐に紛れて未知の生物が現れた!?

え? 人魚!?

 親の決めた結婚を嫌がり、「愛」を求めて陸に上がった人魚のアクアマリン。

彼女の願いを叶えて、お礼に自分たちの願い事――引っ越し中止――を

叶えてもらうため、二人はイケメンを彼女に譲ることにした。

 目指せ! 恋愛成就!!

人魚の恋はいつも悲恋だなんて、もう二度と私達が言わせないわよ!

 

~あらすじ・終了~

 

 ……とまぁ、よくもここまで女の子の夢に忠実に作ってくれたわね、

と思わず拍手したくなるくらいの清々しさです。

ハーレクイン一歩手前の、きちんと酸っぱさをミックスしてある雰囲気。

青春だなぁ~とニマニマしちゃいます。

ハッピーエンドとわかっているけど、トラブルが起きれば

「あぁーーーー!!!」と言わされてしまうこの感じ……

……嫌いじゃないぜ。

 恋愛をターゲットに据えながら、実は女の子どうしの友情に重きが置かれている、

というのも個人的には萌えます。

恋の前では親友も親の敵になる、とは言います(??)が、

十代前半の女子にとっては、一緒に笑って泣いて恋バナしてくれる友達の方が

大事ってもんです。

 私らの友情の前で、そこらの男がなんぼのもんじゃい。

ガールズ・パワー、甘く見んなよ。

 

 引用した書籍について。

 映画とは関係のない絵本ですが、

人魚と人間、女の子どうしの友情ということで、取り上げさせていただきました。

挿し絵がかわいいんですよ。

著者の情報が見当たらないのですが、どうやらフランスの方らしい。

 3匹の人魚が、難破した船の乗客だった一人の女の子を救い、

彼女を助け、一緒に過ごし、陸に送り届けて、最後は別れる……というお話です。

引用部分は、ラストで女の子と別れた後の、人魚たちの心情を表した文章です。

でも、悲しいラストではなく、

次のページで人魚たちは喜びを見つけ、ハッピーエンドで終わります。

小さいお子さんの読み聞かせでも、安心してお読みいただけます。

 ただ、女の子と人魚たちは、もう会うことはなかったんじゃないかな、と思います。

映画では、アクアマリンと二人の少女がまた会う約束をして別れます。

言葉通り、次の夏に三人が会えたらいいな、と思います。

でも、もし会えなかったとしても、この夏の思い出は彼女たちにとって、

忘れられない奇跡のような宝物であり続けることは、間違いないでしょう。

 寂しいのは自分だけじゃない。

人魚の彼女もきっと、自分と同じくらい別れを惜しんでくれていた。

それを信じて、彼女たちはそれぞれの道を歩んでいくのでしょう。

もちろん、二本の足で。 ね!

 

【映画のキーワード】

#ファンタジー #ラブ・コメディー #ティーンエイジャー