映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「ロック・ユー!」

A man can change his stars. I won't spend the rest of my life as nothing.

映画「ロック・ユー!」

 

”トーナメントは若い騎士が名をあげ富を築く絶好の場でもありました。

書籍「オスプレイ戦史シリーズ3 馬上槍試合の騎士」

クリストファー・グラヴェット 著

須田武郎 訳

 

映画"A Knight's Tale"

2001

ブライアン・ヘルゲランド 監督

 

――え、かっこよすぎない?

 正真正銘、これが本作品の第一印象です。

 

「騎士」が「一騎打ち」で「槍を突き合い」、「トーナメント」を「勝ち上がる」

 

 字面だけで、すでに格好いい。

ロマンの塊ですわ。

しかも舞台は14世紀頃、フランスとイギリス。

「大好き」と「大好き」が手を取り合って向かってくる、この感じ。

観る前からわかります。

これ、絶対好きなやつだな、と。

 

 それが、この映画が取り上げている「馬上槍試合」です。

 

 今回引用した書籍では、「日本語版資料」中で

本作品「ロック・ユー!」がおすすめされています。

トーナメントが行われていた中世ヨーロッパの雰囲気をわかりやすく

動画で伝えた映画を、「希有な歴史テキスト」と表現されています。

確かに、長い文章で説明されるより、イラスト1枚あるいは

動画1本見た方が情報の伝達はスムーズですよね。

 書籍自体は正直読みにくいところが多かったのですが、挿絵が豊富なため、

映画を観た後に眺めると「あー、こんな感じだっけな」と良い具合に

復習することができます。

 過去の世界を想像するのは、実はとても難しいことだと思います。

自分の子どもの頃の記憶すら意識しないと思い出せないように、

通り過ぎた時間はあっという間に風化していきます。

歴史上の人間たちが、今を生きる人間と同じように

暮らしていた姿をはっきりと思い描くのは至難の業です。

 そういう時にこの手の書籍や本作品があると、

ぼんやりしがちなイメージが固まりやすいので、助かります。

 

 さて、この映画はカチコチの歴史映画ではなく、

ロック・ミュージックに彩られた、

(当時の)イマドキの若者向けの青春映画です。

ミュージカルかと見紛うシーンもあります。

ヒロインの髪型やらファッションが奇抜です。

エンドロールの後におまけシーンがありますが、下品です。

 これは、現代的考えの主人公が過去の世界を舞台に、

成り上がっていく、というサクセス・ストーリーなのです。

 歴史映画を批判する時に、考証うんぬん検証うんぬん……と相違点を

あげることがありますが、あれってあまり意味がないと思っています。

決して歴史検証など不要、と言っているわけではありません。

そこは必要量の倍くらい用意した上で、「歴史映画」をつくるんだから

映画として面白くさせるために改変・添削していく過程が必要だと思うのです。

 過去に居そうな人物を中心に、起こりえただろう出来事を、

歴史に沿うように舞台セットしてカメラを回しても、

そんな平均的な人の話を観たいとは思いません。

主人公が大昔の人間ならなおさら、今を生きる私に何の関係が?と思います。

 映画も含め、フィクションには極端さが必要です。

過去の世界で極端な正確の人物や突飛すぎる出来事を創作すれば、

必ず認識している過去とのずれが発生します。

そりゃそうです。

実際には起こっていないことを創りだしているのですから、

その結果どうなるかなど、遺物に答えが書いてあるわけがありません。

残された物から推測することはできても、過去を直接目にするわけではないのです。

 そういったわけでコザクラは、歴史ものを楽しむ時には、

その場のノリで緩めに楽しむことにしています。

 過去はフィクション、未来もフィクション。

創作ならではの楽しみを見つけていきましょう。

 

 馬上槍試合。

マニアックな世界観です。

 単にスポーツ好きな人よりか、武道に覚えがある人の方がハマる、と見ました。

弓道部出身者なんかは特に好きそう。

 ロック好きにも勧めたい。

「洋楽ぅ?知りませぬ」なコザクラでもわかる有名曲ばかりなので、

ロックに思い入れのない方も、この映画を観て、挿入歌を好きになりましょう。

 あと、自分でも意外なんですが、恋愛シーンが好印象でした。

主人公とヒロインがもめたシーンは、女子の理想の1つだと思います。

いや、あの、女って……自分でも何やっているかわかんない時があるんですよ……。

 存外、門戸の広い娯楽映画だと思います。

 

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