映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「三十四丁目の奇蹟」

Christmas isn't just a day. It's a flame of mind.

映画「三十四丁目の奇蹟

 

”クリスマスはカレンダーの日付とは別のものです。

 クリスマスは〈心〉ですよ。”

書籍「34丁目の奇跡

ヴァレンタイン・デイヴィス 著

片岡しのぶ 訳

 

映画"Miracle on 34th Street"

1947

ジョージ・シートン 監督

 

 映画のカテゴリーとして、「クリスマス」というのが存在していますよね。

たとえTSUTAYAの洋画コーナーのカテゴリー名に、

「クリスマス」がなかったとしても。

クリスマス直前に急に一つ所に集められるファミリー向け映画たちは、

そういうカテゴリーのメンバーなんです。

 題材にクリスマス、もしくはウィンターシーズンを取り入れており、

かつ家族で一緒に観ても楽しめる作品。

そういう映画を「クリスマス映画」とするなら、

今回ご紹介する映画は「クリスマス映画」以外の何者でもありません!

それがこの、「三十四丁目の奇蹟」です。

 

 長く愛された作品らしく、リメイクも数度行われていますが、

今回取り上げるのは一番最初の映画。 1947年の白黒版です。

 クリスマスが商戦のネタに成り下がってしまった、大都会ニューヨークを舞台に、

ひょんなことから百貨店で働くことになった、

本物のサンタクロースを自称する老人を主軸に描かれるストーリーです。

 百貨店の人事を担当するドリスは、バリバリのキャリアウーマン。

バツイチ子持ちで、一人娘のスーザンを大切に思うあまり、

自らと同じ失敗は踏ませまい、と超・現実主義教育を実践しています。

「サンタクロースは髭の生えた、ただのおじいさん」と

夢の欠片も無いことを言います。

 そんなドリスに恋する青年は、若手弁護士のフレッド。

ファンタジーを楽しむ心を失わないフレッドは、

精神病棟送りにされそうになった老人を助けるため、

前代未聞の証明「サンタクロースは実在するのか」をすることになります。

果たして彼らに勝機はあるのか……?

 

 存在しないことの証明は、存在することの証明よりも難しい。

悪魔の証明

 サンタクロースが存在すると証明するためにフレッドが利用したのは、

子どもたちがサンタクロースに宛てた手紙でした。

郵便局員の怠惰とちょっとしたユーモアから、

裁判所内の自称サンタクロースの元へ届けられた手紙の山・山・山!

合衆国の優秀な郵政省が、こんなに大量の郵便物を、

間違った人物に届けるわけがない。

これぞまさしく、目の前のご老人がサンタクロースであることの証拠です、とね。

 いや~、うまいこと収めましたね。

でも、ちょっと待ってください。

この手紙、本当だったらどこへ届けられていたのでしょうか?

 届いた手紙の表書きは「サンタクロースさんへ」のみだったように見受けられます。

サンタクロース宛ての郵便物を送る際、いくつか住所があるんですけど、

裁判所に届けられた手紙は住所無しだったようです。

 ……ということは、この手紙たちは、

宛先不明で送り主に返送される予定だったのかもしれません。

ネットの質問コミュニティでも、同様の質問がされたことがあり、

その時は日本の場合でしたが、仮に宛名「サンタクロースさんへ」のみなら

時間がたってから返送されるだろう、とのことでした。

 自分がもし子どもで、サンタクロース宛てに手紙を書いていたら……

それはちょっと悲しいです。

そういうことをする年齢なら、郵便物は親が触らせないかもしれませんが、

万が一親が秘密裏に処分してしまう前に発見してしまったら、

結構ショックな思い出になりそうですね、返送処分って。

届かなかったんだな……って。

 もういっそ、郵便局側で処分してしまった方が、心は痛まないかもしれないな……。

 

 クリスマス作品といえば、ディケンズの「クリスマス・キャロル」が

鉄板中の鉄板なんですが、コザクラ的にはこちらの方が出会いが早かったため、

「クリスマス映画ならコレ!」とおすすめしたくなる作品です。

 引用した書籍も映画と同じストーリーで、違和感はありません。

厚さもあまりないので、小学生でも楽しく読めると思います。

もちろんクリスマスプレゼントでもいいですが、クリスマス前の秋に読むと、

クリスマスまでの冬に近づく、暗くて憂鬱な日々を過ごす時の一助になります。

元気をだしてほしい人の机にそっと置きたい……そんな作品です。

 

【映画のキーワード】

#ファミリー #古き良き時代 #メイシーズ