映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

ディズニー・アニメ映画「アナと雪の女王」

But only an act of true love can thaw a frozen heart.

ディズニー・アニメ映画「アナと雪の女王

 

――ひとのいうことは聞いてみるものである。

 

 もちろん、聞くにたえない助言ぶった人生観の押しつけなら、

はっきりと ”NO.” をつきつけてやればいいでしょう。

 でも時にはひとのすすめられた通りにやってみたり、いつもの型を壊してみる、

そんな時間をもつ余裕があると、自分について新しい発見があるかもしれません。

 

 昨年私は携帯電話の充電器を通販で購入しました。

とにかく急いでいたので中古で安いものをポチッとしたのですが、

届いたら充電器に紫のマジックで「上」と書かれていました。

「まあ、他人に見られるものでもないし、中古だからな。仕方ないか」

そう思って流していましたが、使っているうちにある問題が発覚したのです。

 この充電器、上下が分かり辛い!

 そして私は、はっとしたのです。

紫のマジックで書かれた「上」の文字のありがたみを。

 たまには他人の意見にも耳を傾けてみるものです。

 

 「アナと雪の女王」の人気が話題に上っていた頃、私はテレビの特番を見て、

「この映画を観には行かないだろうな」と予感していました。

映画館で歌をうたいたくはないし、他人がうたっているのはもっと嫌だな、と

思い、それ以上ストーリーにもキャラクターにも興味をもちませんでした。

唯一、北欧の民族衣装や風景には心ひかれたものの、決定打とはならず、

瞬く間に夏の終わりへと季節は移ろっていきました。

 結局他に観たい映画もなく、仕事もしてなくてプラプラしていた時期だったので

暇つぶしに平日の真昼に観に行くことになりました。

普段の私は前評判を気にせず映画を選びますが、この時は連日の宣伝効果も

後押しして、「観ても損ないかも。ディズニーだし」と思いだしていました。

客入りもまばらで、子ども連れのお母さんたちが多かったのを覚えています。

 

 結果、泣いた。

 誤解のないように申し添えておきますと、私は涙腺がゆるいのですぐに泣きます。

フランダースの犬」の絵本でボロボロ泣き出すレベルです。

 エルザが歌いながら氷の階段を駆け上がるシーンに感極まってしまい、

手持ちのポケットティッシュを使い切る羽目にになり、残りの上映時間を

ティッシュなしで過ごす羽目になり、非常に苦しい鑑賞体験となりました。

鼻と咽が辛いままラストシーンを迎え、

根性でエンドロールの主題歌まで乗り切りました。

 私と同じ体験をした方や、泣き出すまでいかなくても1人になったエルザが

解放感から魔法を自由に操るシーンで心が動いた方は多いと思います。

 では、ラストシーンは?

ラストシーンで泣いた方はどのくらいいたのでしょうか。

 

 原作・・・・・・と呼んでいいのかためらいますが、本作の元となった

アンデルセン童話「雪の女王」の中で賢いフィン女(ゲルダが旅の途中で出会った

人たちの1人)は、ゲルダの手助けを求めるトナカイに向かって言いました。

 

”「でも、おばさんは、ゲルダがなにものにもまけない力を手にいれられるように、

 たすけてやれないんですか?」

「わたしには、いまこの子がもっているより強い力など、あげられはしない。

 この子が、どんなに強いか、おまえにはわからないの?」”

書籍「雪の女王

ハンス・クリスチャン・アンデルセン 著

木村由利子 訳

 

映画"Frozen"

2013年

クリス・バックジェニファー・リー 監督

 

 映画のラストで、アナの心に刺さった氷は愛によって解かされます。

 アナもエルサも互いに気づいていなかった愛の存在が証明され、

姉妹は笑って抱き合い、国中の氷が解けていきました。

 愛は強い。

 愛がすべてを救う。

 要は、そういうことです。

 昔から、そういうことだったのです。

 

 ディズニー映画としてはじめてダブルヒロインを採用した本作では、

愛は家族の絆にフォーカスされ、姉妹愛が描かれています。

 男女愛でも家族愛でも、フィクションの中での愛が占める位置は絶対です。

他の何ものにも変わりができなくて、誰にもうまく説明できません。

本当に不思議な感覚です。

  使い古されたように感じるけれども、結局すべての物語は愛のうたで、

私たちは節を変え音程を変え、歌い繋いでいるだけなんだな、と改めて感じました。

 

【映画のキーワード】

#ディズニー #雪だるま #北欧

 

雪の女王

雪の女王