映画と本の感想ブログ「映画の本だな」

いつかディズニー映画を英語で観るために頑張るブログ。

映画「チャーリーとチョコレート工場」

Good morning, starshine. The Earth says hello.

映画「チャーリーとチョコレート工場

 

”そしてその目――その目は、とてつもなく明るく輝いている。

 火花がピカッと光り、星がキラッと光るみたいに、

 いっときも休まず光を放つ。

 要するに、顔全体が、茶目っ気と笑いに燃えているのだ。”

書籍「チョコレート工場の秘密

ロアルド・ダール 著

柳瀬尚紀 訳

 

映画"Charlie and the Chocolate Factory"

2003年

ティム・バートン 監督

 

 観ているとお腹がすく映画というものがあります。

俗に言う「ジブリ飯」

ジブリ映画は食事シーンの描写が上手で、思わずお腹が鳴るようなおいしそうな

料理が印象に残ります。

食事シーンがおいしそうに撮影されているかどうかは、食事に対する監督たち

制作陣の姿勢が如実に反映されていて、実に興味深いところです。

 私の意見としては、食事はおいしそうで、あたたかなシーンだと嬉しいです。

生きていくには欠かせない行為でありながら、楽しむ余地が多いからです。

どんな場所でどんな人とどんなセッティングでどんなライティングで

どんなBGMで――そして、何をどのように食べるのか。

料理は中食でも、あえてお気に入りのお皿に盛り付けて温め直す人もいれば、

作った鍋のままにすする深夜のインスタントラーメンもあり、

登場人物の食事に対する姿勢には、その人の生き方や大事にしていることが

透けて見えるようです。

 

 この映画を観ると、やはり無性に食べたくなります――チョコレートが!!

映画中にも原作本にも登場する数多の食べ物の中でも、特にチョコレート、

それも板チョコを行儀悪く直接歯でかじって食べたくなります。

銀紙を適当にめくったまま、ガブリ!――、とね。

 物語ではこの板チョコに仕込まれた金のチケットのおかげで、

ある男の子の人生が大きく変わることとなります。

 題名にもあるチャーリー・バケット君は、4人の祖父母と両親と暮らす

やせっぽちの少年で、貧乏ゆえに常にお腹をすかせています。

キャベツを煮ただけのスープで慎ましい夕食を済ませ、家計を切り詰めて

暮らしていますが、ある日父親が失職して一家はどん底へ。

 このキャベツのスープが本当に惨めな気持ちにさせます。

まな板の上にはいつもキャベツがのっており、庭にもキャベツ・・・・・・。

それに相反して、板チョコの深いココア色のうっとりすること言ったら!!

映画を観ている最中から、これを見終わったら板チョコを買いに行こう、と

決意させるには十分に魅力的なのです。

 ちょっと前まで、輸入食料品店や雑貨屋で作中に登場する商標のチョコレートが

ネスレから販売されていましたが、現在は販売終了しています。

 

 世に名高いチョコレート発明家のウィリー・ワンカ氏は、一言で言えば「天才」

そして天才と呼ばれる人々がそうとも言われるように「奇人」でもあります。

やること言うこと突飛で理解不能な感じは、原作よりも映画の方が強いのですが、

そもそも後継者探しに金のチケットを用意する発想からして凡人とは違います。

 この奇天烈な人物にキャスティングされたのが、あのジョニー・デップです。

さらに言えば監督は、ティム・バートンと非凡揃い。

 

 はっきり申し上げましょう。

 私はちょっと苦手なのです、この2人の組み合わせ。

怖いのが苦手なんですよ! ホラー映画は観るけど!

ホラー映画でもないのに不気味な映画が苦手なのです。

事前に覚悟ができてないから、心臓が縮み上がってしまうのです。

子どもの落書きを眺めていたら、ぎょっとするほど気味の悪い絵に出会ってしまった

・・・・・・そんな気分にさせられるのです。

 

 しかし原作も面白いけどブラック・ユーモアたっぷりで、

確かにジョニー・デップははまり役です。

ただし、この映画を子どもの頃見て

トラウマになったという人の気持ちもわかります。

子どもの退場の仕方がいちいち怖いんですよね。

それを笑ってみているウィリー・ウォンカ氏も怖い。

 本当の天才は間違いなく、ロアルド・ダールその人でしょう。

 

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#ファンタジー #お菓子 #貧しい少年

 

 

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  • メディア: DVD